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高いところから転落したり、スポーツで転倒したりして、足首をねじってくるぶし付近を骨折することがあります。この骨折のことを「足関節果部骨折(そくかんせつかぶこっせつ)」といいます。この骨折は、骨折以外にも足首の靱帯などを損傷するなど、重症化することもよくある疾患です。

骨折が重症化すると、スポーツ競技への復帰に時間がかかったり、機能障害が残ったりする可能性が高くなります。今回は、転落や転倒で起こる足関節果部骨折について解説します。

足関節果部とは

医学的には、足首のことを「足関節」といいます。足首は基本的に、膝下の内側の骨にあたる脛骨(けいこつ)と外側の骨にあたる腓骨(ひこつ)、その下に位置する足首の距骨(きょこつ)で構成されています。距骨の下には、踵の骨である踵骨(しょうこつ)があります。

脛骨の遠位部にあたる、足首部分の内くるぶしを「内果(ないか)」といいます。脛骨の遠位部にあたる、足首部分の外くるぶしを「外果(がいか)」といいます。脛骨と腓骨は距骨と繋がっていますが、この部分を「距腿関節(きょたいかんせつ)」といいます。

また、距骨と踵骨の間を「距骨下関節(きょこつかかんせつ)」といいます。これらの関節を総称して、足関節といいます。

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足関節果部骨折の原因

足関節果部骨折が起こる原因は、さまざまです。この骨折が起こることが多い原因は、スポーツや交通事故などです。また、身体を使う仕事などでも起こりやすいといえます。ほかにも、坂道や階段で足首をくじいたり、雨でぬかるんだ道を歩いて滑ったりして骨折します。

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この骨折は、足首に近い内果と外果で起こる骨折です。内果が骨折することを「内果骨折」「脛骨遠位端骨折(けいこつえんいたんこっせつ)」、外果を骨折することを「外果骨折」「腓骨遠位端骨折(ひこつえんいたんこっせつ)」といいます。

足首を内側にひねると、外果が引っ張られて、外果が剥離骨折します。この骨折を、「内転骨折」といいます。逆に足首を外側にひねって骨折することを「外転骨折」といいます。ひどい場合には、内果と外果の両方を骨折する場合があります。この骨折を「両果骨折」といいます。

また、内果(脛骨の骨)の後ろ側部分を後果(こうか)といいます。両果骨折と後果の3つの箇所で骨折することを「三果骨折(さんかこっせつ)」といいます。もちろん、1箇所よりも2箇所、2箇所よりも3箇所骨折した場合の方が治りは悪くなります。どの足関節果部骨折も、靱帯を損傷することが多い骨折です。

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足関節果部骨折と足首捻挫の違い

足関節果部骨折は、捻挫と勘違いすることがあります。骨折と捻挫では、痛みや腫れ、力があまり入らないなど、症状が似ている点が多々あります。ただし、時間の経過とともに、相違点が出てきます。例えば、骨の変形が見られる場合は、骨折している可能性はとても高いです。

骨折していない足首と比べて、くるぶしが変形していたり、足首や指の角度がおかしかったりする場合には、骨折していることがあります。また、痛みがなかなか引かず、患部を押すと強い痛み(圧痛)が長引く場合には骨折している可能性が高いです。

他にも、時間の経過とともに腫れは引きますが、骨折の場合はなかなか腫れが引かない場合があります。また、内出血がひどい場合に、吐き気や冷や汗が出ることがあります。これは、骨折による「出血性ショック」の症状です。これらのような症状がある場合には、骨折している可能性が高いといえます。

足関節果部骨折の治療

足関節果部骨折の治療は、保存療法と手術療法がおこなわれます。保存療法がおこなわれる倍は、骨折のずれが少ない(2mm以下)場合や、徒手整復で正常な位置に戻る場合です。これらの場合には、ギプスなどで固定して安静にする保存療法がおこなわれます。

最初の2週間は、患部に荷重できないため、歩行時は松葉杖を使用します。その後は、ヒール付きのギプスで、約2ヶ月患部を固定する保存療法がおこなわれます。

痛みが強い場合には、ボルタレンやロキソニンなどの非ステロイド炎症鎮痛薬(NSAID)が処方されます。ただし、これらの薬剤には、胃の不快感や浮腫、発疹、潰瘍など、さまざまな副作用が起こる可能性があるので注意が必要です。

足関節果部骨折のズレが大きい(3mm以上)場合や徒手整復で改善がみられないと判断した場合には、手術療法がおこなわれます。手術療法では、基本的に骨折している患部を、ボルトやプレートで固定する手術がおこなわれます。

手術後は、4週間くらいは体重を患部にかけることはできません。また、足関節を骨折すると、熱感や腫れがなかなか引きません。そのため、これらの炎症の対処法としては、RICE処置をおこないます。RはRestで安静、IはIcingで冷やす、CはCompressionで圧迫、EはElevationで挙上のことを指します。

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足関節果部骨折のリハビリ

足関節果部骨折で、保存療法や手術療法がおこなわれたあと、リハビリがおこなわれます。早い場合には、手術の翌日からリハビリがおこなわれる場合もあります。リハビリは、RICE処置と同時におこなわれます。

前述したように、足関節果部骨折になると、4週間くらいは体重をかけることはできません。そのため、足全体の筋力が低下してしまいます。この症状を「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」といいます。

骨折してしばらくは、足関節は動かすことができません。ただし、股関節や膝関節は動かすことができます。よって、足関節以外の関節は、筋力低下を避けるためにリハビリで動かすことが大切です。

4週間後の荷重トレーニングでは、いきなり全ての体重をかけることはできません。足関節のリハビリでは、少しずつ足関節に負荷を加えていきます。

例えば、最初は4分の1くらい体重をかけるリハビリをおこない、慣れてきたら3分の1、2分の1と負荷を増やしていきます。最後には、全体重をかけてリハビリをおこないます。

全体重をかけるリハビリまでに、約2ヶ月かけて、少しずつリハビリをおこないます。最初は、体重をかけずに、足首を動かすだけのリハビリをおこないます。このリハビリは、寝た状態でも長座の状態でもおこなうことができます。次に、椅子に座った状態で、踵を上げるリハビリをおこないます。

慣れてきたら、徐々に負荷を加えて、立った状態(立位)で踵を上げるリハビリをおこないます。ただし、立位の場合には足首にダイレクトに体重がかかるため、少しずつ負荷を加えるようにしましょう。

このように、足関節を骨折すると、長い期間休んだりリハビリしたりしなければいけません。足関節は、身体を支える上で、とても重要な箇所です。リハビリも大切ですが、不慮の事故などで骨折しないことも重要です。

普段から、足関節の柔軟性を保つためにストレッチしたり、足関節の筋力を付けて事故防止したりすることが大切です。