首の痛み-男性2

人間は、首で思い頭を支えています。一説には、頭の重さは約5~6kgあるといわれています。それだけの重量を、細い首で支えています。

現代人は、仕事や勉強を長時間行うために「頭を前傾させる姿勢」を取りがちになります。そのため、首には、頭の約3倍の重量が掛かります。すると、頚椎の椎間板が圧迫されて潰れてきます。

通常は、休むことにより、頚椎の椎間板は修復さますが現代人はあまり休めません。そのため、疲労が蓄積されて、頚椎椎間板の修復ができなくなります。

この状態がひどくなると、「頚椎ヘルニア」という病気になります。この病気になると、通常の生活も困難になるくらいの激痛を首に生じます。今回は、頚椎ヘルニアと治療法について解説します。

ヘルニアと頚椎ヘルニア

ヘルニア(hernia)とは、体内の臓器などが、本来の位置から「飛び出た状態」のことを指します。

例えば、よく知られるヘルニアで、鼠径ヘルニア(脱腸)があります。このヘルニアは、腸が腸壁の裂け目から腹膜に包まれている腹腔外(ふくくうがい)に飛び出た病気のことです。

ヘルニアの区別は、体腔内の裂隙(れつげき、隙間)に迷入(めいにゅう)したものを「内ヘルニア」といいます。また、体腔外に逸脱したものを「外ヘルニア」といいます。

前述したヘルニアとともに、多いヘルニアは、臍(さい)ヘルニア(でべそ)や椎間板ヘルニアなどです。また、嵌頓(かんとん)ヘルニアといって、脱出した臓器が脱出口で締め付けられる症状があります。

この状態が長く続くと、脱出した臓器が壊死したりします。これらの多くは激痛を伴います。

「頚椎ヘルニア」について説明します。背骨は、脊椎と呼ばれる骨で構成されています。首には「頚椎」と呼ばれる骨が7つあります。その脊椎と脊椎の間に「椎間板(ついかんばん)」とよばれる軟骨組織があります。

「椎間板」は、中心に柔らかい随核(ずいかく)とその周りに繊維性軟骨組織からなる繊維輪(せんいりん)で構成しています。

この繊維輪が損傷されると、中から柔らかい随核が外に飛び出て炎症を起こします。さらに、その随核が、脊髄や神経根を圧迫して激痛が走ります。この病気のことを「椎間板ヘルニア」といいます。

椎間板ヘルニアの診断

椎間板ヘルニアは、X線やMRI検査により診断します。X線検査では、椎間板の狭小化をしらべます。ただし、この検査だけでは、ヘルニアを診断することはできません。

なぜなら、ヘルニア自体が写らないことと、正常な人でもレントゲンの異常が高率で見られるためです。

一方、MRI検査は、人体の断面を写します。この検査では、狭小化もヘルニアの神経圧迫も確認できます。また、CT検査での検査を行うことがありますが、MRI検査よりも費用は安く済みますが被爆します。

頚椎ヘルニアの治療

頚椎ヘルニアは、突然痛みを生じます。さほど痛みがないようであれば、安静にして経過観察します。もし、痛みが減らないときには、鎮痛薬を処方します。

鎮痛薬は、ロキソニンやボルタレンなどの非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAID)を使用します。ただし、これらの薬には副作用があります。

たとえば、浮腫(むくみ)や発疹、胃の不快感、ショック症状、潰瘍、貧血、腎不全、ネフローゼ、肝障害、心筋梗塞などさまざまな副作用があるので、使用には注意が必要です。

また、これらの薬は胃かいようを合併する場合があるため、胃腸薬や抗潰瘍薬なども一緒に処方されます。また、鎮痛薬以外にも、「神経再生薬」を使用する場合もあります。

例えば、神経の修復を促進させる作用がある「メチコバール」「ビタミンB12」などを使用します。副作用は、おう吐や下痢、発疹、食欲不振などがあります。

これらの薬物療法で改善がみられない場合は、手術を行います。例えば、神経の圧迫を除去するために、脊椎の椎弓(ついきゅう)と呼ばれる部分を切除する「除圧椎弓切除手術」を行います。

この手術は、身体の後方から行います。後方から手術が行うことができない場合には、前方からの手術を行います。例えば、椎間板を切除して腸骨を移植してチタン製の金属で固定する「脊椎前方固定手術」を行います。

このように、頚椎ヘルニアになると、痛みにより日常に支障が出ます。頚椎ヘルニアは、さまざまな治療法がありますが、ヘルニアの手術の有効性を完全に証明した論文発表はありません。

もちろん、手術以外で安静にして痛みが取れるようであるに超したことはありません。頚椎ヘルニアは、外的要因が強いようです。首に痛みを抱えている人は、自分の生活習慣を見直して、頚椎ヘルニアにならない生活を過ごしましょう。