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膝が痛む原因の一つに「関節ねずみ」があります。関節ねずみは、「関節内遊離体(かんせつないゆうりたい)」ともいいます。しかし、なぜ関節ねずみという名称がついているのでしょうか。また、膝に関節ねずみが起こると、どのような症状が生じるのでしょうか?

今回は、スポーツや事故に多い関節ねずみについて解説します。

関節ねずみ(関節内遊離体)とは

関節は、骨と骨で形成されています。そして、骨の周りには関節軟骨があります。しかし、骨や関節軟骨が何らかの原因により、剥がれ落ちてかけらになります。すると、その欠片(かけら)が遊離して、関節内で動き回ります。この疾患のことを「関節ねずみ(関節内遊離体)」といいます。

関節ねずみの大きさは、約1cmから2cmのものが多いようです。ただし、関節包内にある関節液から栄養分を吸収して、関節ねずみが大きくなる場合もあります。

関節ねずみが、小さくなったり自然に消えたりすることはありません。関節ねずみといわれるのは、前述したとおり、関節内でねずみのように動き回るからです。

この疾患の特徴は、骨片が動き回ることもそうですが、この骨片が関節の間にはさまることにより関節が動かなくなることです。この症状を「ロッキング現象」といいます。

ロッキング現象が起こると、膝に激しい痛みが生じます。ロッキング現象が起きても、何かの拍子に関節から骨片が抜けることがあり、痛みが治まることがあります。しかし、関節ねずみは関節内で動き回っているため、何度もロッキング現象を繰り返す可能性があります。

このロッキング現象が繰り返されると、骨や軟骨組織がさらに傷ついて「変形性膝関節症」になる場合もあります。関節ねずみは、膝や肘に多く起こる疾患です。他にも、股関節や足関節などにも起こります。

関節ねずみが起こる原因

関節ねずみが起こる主な原因は、スポーツや仕事、事故などによる骨折、膝関節の骨の変形、骨破壊を伴う病気などです。

膝関節に外部から大きな外力が加わったり、スポーツや仕事などで何度も膝関節を酷使して動かしたりすることにより骨が欠けたり剥がれたりします。この骨折を「剥離骨折(はくりこっせつ)」といいます。

病気では、骨に腫瘍ができて骨組織が破壊されることもあります。また、膝関節の骨が加齢や仕事、病気などで変形して、関節軟骨がすり減ったり欠けたりすることもあります。

病気で関節ねずみが起こる疾患は、変形性膝関節症や半月板損傷、結核性関節炎、離断性骨軟骨炎、骨膜骨軟骨腫症、神経病性関節症(シャルコー関節)などです。

代表的な変形性膝関節症は、35歳から55歳くらいの人に発症します。変形性膝関節症になると、初期の段階では歩行時に違和感や張りを感じることがあります。

変形性膝関節症が進行すると、階段の上り下りや仕事、スポーツの終了時に痛みが出たりします。さらに進行すると、関節ねずみができてロッキング現象が起こり、強い痛みが生じます。

これらのような、さまざまな原因により、関節ねずみが起こります。膝関節の関節ねずみが起こる主たるスポーツは、バスケットボールやバレーボール、サッカー、ラグビー、格闘技、テニス、スキー、陸上競技などです。

肘関節の関節ねずみが起こる主たるスポーツは、テニスや野球、ゴルフなどです。そのため、これらのスポーツで起こる肘の疾患は、そのまま一般名としてテニス肘や野球肘、ゴルフ肘などと呼ばれています。

関節ねずみの診断や治療

関節ねずみの診断は、膝関節にロッキング現象が起こるか確認します。さらに関節ねずみが疑われる場合には、X線検査がおこなわれ骨片の有無を確認します。軟骨組織の骨折や、その他の病気などが疑われる場合には、MRI検査をおこなうこともあります。

関節ねずみの治療は、遊離している骨片を取り除く手術療法がおこなわれます。手術療法は、約1時間で終わります。膝関節に何カ所か穴を開けて、内視鏡による「関節鏡視下手術」などがおこなわれます。手術費用は、15万から16万くらいです。

ただし、骨片が小さく症状が軽い場合には、そのまま放置して様子をみる場合もあります。

このように、関節ねずみができる原因はさまざまです。関節ねずみができるのは、繰り返しおこなわれるスポーツや仕事などが主な原因です。予防としては、激しいスポーツや仕事での膝関節酷使を回避し、休息を取ることが重要です。

また、膝関節や足全体に柔軟性を持たせるために、ストレッチなどをスポーツや仕事の前後にしっかりとおこない関節ねずみが起こらないようにしましょう。